EC業界のファイブフォース分析|アマゾンに将来性があるかを徹底分析

大学生の投資ブログ

アマゾンへの投資を検討していても「今からじゃ遅いかな…」「アマゾンに将来性はあるのか?」と考えてしまって中々踏み出せずにいる方は多いと思います。
ファイブフォース分析は業界分析のためのフレームワークですが、今回はEC業界のファイブフォース分析をするという形で、アマゾンの立場や将来性などについて考えていこうと思います

そもそもアマゾンとは?

 Amazon.com(以下アマゾン)はアメリカに本拠を構えるネットショッピング企業。
アマゾンCEOのジョフベゾスの資産額は世界第1位の1130億ドルで、アマゾンの時価総額は1兆4800億ドルにも上ります。数年前まで長者番付の上位にジョフベゾスはいませんでしたが、この数年で急上昇してきました。これは恐らくアマゾンの株価の上昇によるものだと思われます。日本では楽天市場と並ぶ巨大ECサイトです。
今回はアマゾンの中核的の事業のEC事業にフォーカスしてファイブフォース分析をしています。

1.既存競争業者間の敵対関係

Eコマース企業はアマゾンの他にも数多く存在するので、同業者はかなり多いと言えます。アマゾンのような総合的なECサイトを運営する企業だけでもアリババや楽天、Yahoo!ショッピング、ウォールマート(EC事業も行っている)などがあります。それ以外のEC関係の企業も合わせると数えきれないほど存在するはずです。
このように、EC業界は同業者がかなり多いため既存業者間の競争が激しいと考えられます。
その反面でEC業界の市場規模は世界的に今後も伸びていくと予想されています。日本における商取引のEC化率は6.22%でアメリカやその他先進国のEC化率もそれほど高くないことからもEC業界の市場規模が今後も伸びていくと思われます。

アマゾンは自社で巨大倉庫を各地に所有し、アマゾン独自の物流網を築いています。アマゾンの巨大倉庫が各地に次々に建てられています。
このように独自の物流網を築くことで送料無料の翌日配達や有料オプションでの当日配達を可能にしています。この便利さは小規模な企業では実現不可能なため、アマゾンは差別化に成功していると言えます。

2.新規参入者の脅威

 BASEやShopifyなどの個人や小規模の事業者向けのECサイト作成プラットフォームがあることからもわかるように、EC業界は参入するにあたっての規制や制限が少なく、小規模であれば多額の運転資金も必要ないため参入しやすい業界と言えるでしょう。
そのため新規参入者の脅威は絶えないですが、アマゾンは規模の経済を十分に活かすことができるので、この面での脅威は大きくはないと考えられます。また、アマゾンのECサイトは他のECサイトに比べてシンプルで利便性が高いという面で差別化もできています。

 以上の点を踏まえると新規参入者の脅威はそれほどではないと思ってしまいますが、ウォールマートなどの大手企業がEC事業に次々に参入してきているところを見ると新規参入者の脅威が少なからずあります

3.代替製品の脅威

 EC業界の代替関係にあたるのは実店舗ですが、どちらかと言えばECは実店舗の顧客を奪っている立場であるため実店舗が脅威になるとは考えにくいです。あえて脅威になるものを挙げるのであれば体験型の実店舗だと思います。ネット環境やVR技術がどれだけ向上してもリアルな体験は実際にその場所に行って五感で感じてみないとできません。実際、シューズメーカーのナイキはこの実店舗での体験型での販売に特化した店舗をニューヨークにオープンさせています。

今後、様々な製品で体験型の実店舗が増えてくるとすれば十分脅威となりえますが、現時点においては一部での動きに過ぎないため脅威ではないです。

4.買い手の交渉力

アマゾンのECサイトは他のECサイトと比べてアップセルやクロスセルに積極的でないため使い勝手が良いです。楽天市場を利用していた人がアマゾンを利用するようになった理由の多くが上記の理由だと思います。少なくとも僕自身はそうです。

また、アマゾンフォトやAWS、アマゾンプライムビデオ、アマゾンkindleなどのサービスを提供しているという点などで他のECサイトと差別化ができていてブランド力があると言えます。ECサイトは数多くあるのでスイッチングコストは低いですが、アマゾンは前述の通り様々なサービスと組み合わせて消費者(買い手)を囲い込んでいるため、スイッチングコストは他のECサイトよりも比較的高いと考えられます。また、物流面でのスイッチングコストもあると考えられます。

差別化しブランド力があることやスイッチングコストが比較的高いことを踏まえると、買い手の交渉力を高める要因はほとんどないため買い手の交渉力は低いと思います。

5.売り手の交渉力

 売り手の交渉力=買い手の交渉力なので省略。

 

アマゾンの今後

以上、5つの観点からアマゾン(特にEC事業)について分析しましたが、各項目別にまとめると以下の通りです。

・既存競争業者間の敵対関係:
・新規参入者の脅威:
・代替製品の脅威:
・買い手の交渉力:
・売り手の交渉力:

EC業界におけるアマゾンの立場は絶対的であるかのように思えますが、実際はそうではなく少なからず問題点や脅威が存在することが分かりました。

【アマゾンが抱える問題点と脅威】

・同業者が多く競争が激しい
・小売企業のEC業界への参入

つまり、今後もアマゾンが成長できるかは差別化を図ることと海外市場を開拓できるかどうかがポイントになってくると思います。差別化は十分にできていると言えますが、海外市場の開拓については、中国やヨーロッパ(一部の国を除く)への進出で苦戦しているのが現状です。

海外市場の開拓に苦戦しているとはいえ、アマゾン独自の物流やサービス、そしてスケールメリットを最大限に生かすことができれば、将来的には海外市場でも覇権を握ることができると思います。

アマゾンは売上高の約7割をアメリカ国内に依存しているしているのにもかかわらず、世界有数の大企業に成長しています。アメリカ国内のEC化率が高くないことや海外市場を開拓できていないことを考えれば伸びしろは十二分にあると言えます。

結論:アマゾンの将来は比較的明るく今から投資しても遅くない。

 

 

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